天橋立の北側に位置する「元伊勢 籠神社(このじんじゃ)」は、丹後地方で最も高い格式を持つ一宮です。現在の伊勢神宮にお祀りされている天照大御神と豊受大御神が、今の地へ遷る前にこの場所で祀られていたという伝承から「元伊勢」の名で親しまれています。主祭神には、天孫降臨の系譜を引く彦火明命(ひこほあかりのみこと)を戴き、境内には今も凛とした清浄な空気が漂っています。一歩足を踏み入れれば、神道の長い歴史を肌で感じることができる、天橋立観光において欠かせない聖地といえます。
| 名称 | 丹後一宮 元伊勢 籠神社 |
|---|---|
| 住所 | 京都府宮津市字大垣430 |
| TEL | 0772-27-0006 |
| 駐車場 | あり(有料・30分以内の駐車等無料対象あり) |
| 公式サイト | https://www.motoise.jp/ |
参道でまず目を引くのが、まっすぐで素朴な「神明鳥居」。下の横木(貫)の両端が柱から突き出ない形で、伊勢神宮の鳥居と同じ系統とされます。大きな石の鳥居は迫力があり、奥へ進むほど直線の美しさが際立って気持ちも引き締まります。神門前には重要文化財の狛犬が構え、阿形の右前脚に残る傷には“魔除け”の話も伝わります。
籠神社の本殿は、伊勢神宮と同じ神明造。注目は、高欄の上に並ぶ青・黄・赤・白・黒の「五色の座玉(すえたま)」です。これは伊勢神宮の御正殿と籠神社でしか拝めないとされる、めずらしい意匠。色の並びが目に入った瞬間、「ただならぬ特別感」を感じるはずです。古い社の格式や、伊勢との深いご縁を静かに物語る“見逃せないポイント”です。
境内の石庭「御生れの庭(みあれのにわ)」には、水琴窟があります。手を清めたあと、そっと水を落とすと、地中の甕(かめ)に響いた音が澄んだ余韻になって返ってきます。耳を澄ませるほど、周りの風や鳥の声まで心地よく感じられて、気持ちがすーっと整う時間に。参拝の途中で立ち止まり、静かな音色を楽しむのがおすすめです。
籠神社では、旅の記念にもなるおみくじが人気です。月の満ち欠けにたとえた言葉が添えられた「月みくじ」など、引いたあとに読み返したくなるタイプも。時期によっては、扇や傘の形、恋みくじのような可愛いおみくじが並ぶこともあります(内容や種類は季節・行事で変わります)。境内に結んで気持ちを切り替えるのもよし、持ち帰ってお守り代わりにするのもよし。参拝の余韻が深まります。
本殿から徒歩約10分ほどの場所に位置する奥宮「真名井神社(まないじんじゃ)」は、別名「久志濱宮(くしはまのみや)」と呼ばれ、古くから神聖な力が宿る場所として崇められてきました。鬱蒼とした森に包まれた境内には、社殿が造られる以前の古代信仰の姿を今に伝える「磐座(いわくら)」が鎮座し、神々が降臨した場所としての神秘を湛えています。
また、入口に湧き出る「天の眞名井の水」は、遠方から汲みに来る人も多い名水です。五穀豊穣や縁結びなど、あらゆる願いに寄り添うこの場所には、今も変わらぬ太古の祈りが息づいています。